きみの鳥はうたえる
いつもと同じ。
ありきたりだけど、そんな毎日こそ大事にすべきなのだ。
人類は一夜にして進歩したわけではなく、日々の積み重ねを大事にしたからここまで来れたのではないか。
だから僕はなんてことない仕事の日を大事にしたいのだ。
進歩するためにも。
家と職場の往復にも、楽しみはある。
明かりは少なく僕が生まれるより前から営んでいる文房具屋と向かい合った中学校があるあまり大きくない通学路に、そっと寄り添うようにたたずむ自販機がある。
僕は仕事帰り毎日その通りを自転車で抜けていくのだが、暗く見通しの悪いとおりの光源になっている自販機が帰りを待っていてくれる母親のように見えるのだ。
疲れた身体に、その自販機で買った缶のコーラを一気に流し込むと、なんとも言えない癒しを得るのだ。
みたいなね。